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探査機「ボイジャー」、ついに太陽圏の外へ
書店で何気なく手にとった雑誌に、こんな記事が載っていました。
いつもはパラ見で済ませてしまうところを、つい購入。
人類が人工物を太陽圏の外へと送り出したのは史上初らしく、その人工物であるボイジャー1号の打ち上げは1977年だったとか。僕が生まれるよりももっと以前の話ですね。
現在、ボイジャー1号は地球からおよそ189億キロメートルの距離にあるらしいです。そして、その速度は秒速約17キロメートル。いまいちイメージの湧かない早さだ。
なんでも、ボイジャーは順調に恒星間空間を移動すれば、4万年後には「AC +79 3888」という恒星に近づくとのこと。乗せられたゴールデンレコードが地球外生命体の元に届くのに、一体どれほどの年月がかかるのか。それは僕達の想像をはるかに超えるものなのでしょう。
何気なく手にとった雑誌に、探査機の太陽圏離脱という記事。
やはり、このシチュエーションには震えざるをえなかったというか。
だってそうでしょう?どこの『秒速5センチメートル』だよ!って思いましたわ。店に『One more time,One more chance』は流れていなかったし、雪も降っていなかったし、そもそも過去にあんな経験してないけどさ。でもなんか、不思議と感傷的になってしまうものです。作中で、遠野くんは探査機について次のような言葉を残しています。
それは本当に想像を絶するくらい孤独な旅であるはずだ。
本当の暗闇の中をただ直向きに、ひとつの水素原子にさえめったに出会うことなく、ただただ深淵にあるはずと信じる世界の秘密に近づきたい一心で。
僕たちはそうやって、何処まで行くのだろう、何処まで行けるのだろう。
桜の花びらの落ちる速度は秒速5センチメートルで、ボイジャー1号の進む速度は秒速17キロメートルで。
では、僕たちは。
果たして僕たちは進んでいるのでしょうか。
もし進んでいるのだとしたら……もし、落ちているのだとしても、その速度はどのようなものなのか。
ただひたむきに、何かに近づきたい一心で生きることなど可能なのか。
そんな気障なことを考えてしまう夜でした。
12月上旬にはアイソン彗星が、明け方の東の空に見えるとか。
今の時期でも若干は見えるらしく、今夜はこのまま朝まで起きて、夜明けには東の空を眺めてみようかと、そういう気分です。
遥か遠くにある探査機の無事を祈りつつ。